10月5日(火)第15回 オクラ
更新日:2010.10.05
オクラで夏バテ防止!栄養満点ネバネバパワー
オクラといえば、そのネバネバした食感が大人気の夏野菜です。実は、特有のネバネバには栄養がいっぱい。まず水溶性食物繊維のペクチンが含まれているのですが、これは腸内の善玉菌を増やす整腸効果があることと、血中コレステロールや血圧を下げる効果が期待できます。またもうひとつ、ネバネバを作っている栄養素が糖たんぱく質のムチン。こちらは、気管や消化器の粘膜を保護する物質で、胃炎や胃潰瘍、感染症の予防に効果があります。たんぱく質の消化吸収を助ける働きもあるので、ぜひとも肉や魚と一緒に摂りたいものです。
ネバネバ物質だけに限らず、カロテン、ビタミンB1、B2、C、カルシウム、マグネシウムが多く含まれていて、オクラはとても栄養価の高い夏野菜と言えます。オクラの旬は7月~9月。喉越しのいいオクラをたくさん食べて、この夏をのりきりましょう。
新鮮なオクラの表面はうぶ毛でびっしり覆われています
まず手にとってみて、表面がうぶ毛でびっしり覆われたオクラは、鮮度が良く出荷されたてのもの。毛深いオクラを見たら、買いのサインです。そして、切り口に注目。黒ずんでいるものは古いものなので避け、できるだけ切り口がみずみずしいものを選びましょう。
オクラは開花後わずか4~5日で出荷されます。成長し過ぎると、筋ばって硬くなり、また苦味も出てきてしまうからです。あまり大きいものは、成長しすぎて硬い場合があるので、中ぐらいの大きさを選ぶのがコツです。色は、緑色の濃いものほどおいしいと言われています。ネットの緑色にだまされないようにしましょう。
最近、生産量がわずかながら全体的に紅色の「赤オクラ」というオクラが出荷されるようになりました。このオクラは、ゆでると緑色になってしまうものの、非常に果肉が薄く、やわらかな食感が楽しめると、生食用として人気です。
保存できるのは野菜室で2~3日!できるだけ早く使いきって!
オクラは、直接冷気があたると、黒く変色し傷んでしまうので、冷蔵庫の野菜室へ保存するときは、必ず新聞紙にくるむようにしましょう。ただ、それでもあまり保存がききません。すぐに黒ずんできてしまうからです。オクラは、買ったらできるだけ早く使い切るのが理想的です。どうしても保存したい場合は、さっとゆでて細かく刻んでから冷凍保存しましょう。
口当たりが悪いうぶ毛は塩でこすり落として
オクラの下ごしらえで重要なのはうぶ毛とり。うぶ毛がついたままだと非常に舌触りが悪いので、必ず取り除くようにしましょう。まず、水洗いしてからたっぷりの塩をオクラ全体にまぶし、指の腹でこすってうぶ毛を落とします。たくさんのオクラを調理するときは、オクラ同士をこすり合わせるようにすれば、手早くうぶ毛を落とすことができます。その後、もう一度水洗いして塩を落としましょう。
ヘタは取り、本体とへたの境目は少し固いので包丁で軽くそぎ落とします。(写真を参考に) 下処理をしたオクラは、薄く切れば生のままでも食べられますし、そのままの形で煮物や炒め物、揚げ物に大活躍。ただ、和え物などでさっとゆでていただく場合、ゆで過ぎると歯ごたえが悪くなるので注意しましょう。ゆで時間の目安は約2分。塩をひとつまみ入れた湯でさっとゆでたら、ザルにうつし冷まします。うちわなどで素早く冷ましたほうが、色よく仕上がります。
アメリカ南部のおふくろの味!?オクラのスープ
さっとお醤油をかけていただいたり、煮物にしたりと和食で活躍する機会の多い野菜なので、オクラは日本で主に食べられている野菜というイメージがありませんか? 実は、日本に伝来したのは幕末で、全国的に普及したのは近年の話。もっと昔からオクラを愛している国があります。意外や意外、アメリカです。アメリカ南部ルイジアナ州ニューオリンズの名物料理と言えば「オクラのスープ」、英語で「ガンボスープ」です。オクラは英語でokraですが、アメリカ南部ではgumboという名で有名で、アメリカは現在もオクラの大生産国なのです。
ガンボスープは、日本のお味噌汁のように家庭によってご自慢の味があり、そのレシピもバリエーションがかなり豊富。入れる具材も様々で、ザリガニや海老などの魚介の場合もあれば、鶏肉やソーセージなどの肉の場合もあり、それらを好きな野菜と煮込んだスープがガンボスープです。ただひとつ外せないのがオクラを入れること。おクラをトロトロに煮込んで、スープにとろみをつけるのが特徴です。
「耳なし芳市」などの「怪談」の筆者として有名な小泉八雲(本名:ラフカディオ・ハーン)は、来日する以前ニューオリンズに新聞記者として10年ほど住んでいました。もちろんガンボスープを食べたはず。地元の料理に興味を持った彼は、一般家庭を回り郷土料理のレシピを取材。ガンボスープも掲載されたレシピ集を出しています。日本で結婚した彼は、妻のセツさんにガンボスープの話はしたのでしょうか? 日本産のオクラは食べられたのでしょうか?
現在ルイジアナ州立ニコラス大学料理研究所では、毎年優秀な創作料理を作るシェフを「ラフカディオ・ハーン賞」として表彰しています。小泉八雲は、ニューオリンズでは「郷土料理」を初めて大がかりに記録した人として有名なのです。




